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古くなった時計の文字盤は素晴らしい投資になるか、

1993年、デイトナ 6239の“ポール・ニューマン”はアンティコルムオークションで9257ドル(当時の相場で約103万円)、2013年にはクリスティーズで7万5000ドル(当時の相場で約732万円)で落札されたが、その後も価格は上昇し続けている。今年は新しい時計(中古でも新品でも)にとって厳しい年になるかもしれないが、最も望ましいヴィンテージモデル、特にオリジナルかつコンディションが良好なモデルは、どう考えても優良株であり、投資のチャンスである。しかし非常に収集性の高い時計の価値の大部分、あるいはその大半を占める“文字盤”は、永久に使用されると想定して作られておらず、所有者が生きているあいだに見分けがつかないほど劣化する可能性がある。

時計の文字盤やダイヤルマーカーのエイジングは、褐色化(“トロピカル”文字盤)や、クラック(“スパイダー”文字盤)、および時計の価値を劇的に高めると考えられるそのほかの経年変化など、ほぼ無限ともいえる多様な形態がある。このような経年変化は、素人目には単に最盛期を過ぎた時計のサインのように見えるかもしれないが、熱心な愛好家やコレクターにとって、適切に経年変化した文字盤(これが重要だ)は、現代のコレクターが高く評価する、ある種の誠実さと真正性の表れなのである。

それにもかかわらず、目に見えて古くなった文字盤にプレミアムがつくべき考え方は、かなり新しいようだ。おそらく、特定のパーツはそのままにしておきたいという要望を受けたブランドのサービスセンターの対応ほど、このことを明確に示すものはない。というのも、コレクターはしばしばブランドのサービスセンターに時計を預ける際、オリジナル(またはオリジナルと推定される)文字盤を残してもらうのに苦労するのだ。一方で、外観が著しく損なわれている(そしてたまに機能的に問題もある)文字盤に対するサービスセンターの対応は、多くの消費者が避けたいと望んでいた時代に生まれたサービスポリシーによって、裁量が左右されることが多い。ひどく色あせた塗装、黄色に変色したラッカー、もはや光らなくなった夜光マーカーを持つ文字盤は、単に耐用年数を過ぎているとみなされるのだ。さらにサービスセンターは、時計の保存をビジネスとしていたわけでなく(一般的には今もそうだ)、彼らの任務は時計を機能的にも外見的にもできるだけ新しい状態にして、顧客に返却することだったのだ。

今日では古くなった文字盤は、コレクターのあいだで本物の証として、また時計の歴史の目に見える関係として捉えられている。ダイヤルのパティーナと我々の関係は複雑なのだ。アートにも同じような難問がある。美術品を修復するとき、できるだけ新品の状態に戻すべきか、それとも劣化が進行しないようにするだけでいいのかという問題だ。意見が分かれる典型的な例として、レオナルド・ダ・ヴィンチの最も有名な油彩画のひとつ『聖アンナと聖母子』の修復を挙げよう。2011年にルーブル美術館で絵画の修復が行われたのだが、その変化は劇的だった。この絵画で多く見られた柔らかなブラウン、アンバー、バーントシェンナ(土の焼けたような色)の色調は、修復家の綿棒によるクリーニングで消え、代わりに何世紀にもわたって蓄積された汚れと、表面の酸化の下に潜んでいた、誰もが想像していないほどの鮮やかな青、赤、肌の色調が姿を現した。この変化に対する抗議の声は、愛する時計を勝手に変更されたときに抱く、多くのコレクターの怒りとよく似ている。ただそれは単なるセンチメンタルな感情ではない。現在の市場において、オリジナルの文字盤を新品に置き換えることは、時計の価値を根底から覆すことになりかねないのだ。

『聖アンナと聖母子』(出典: Wikipedia)。

しかし、芸術作品と同じように、文字盤は時間の経過とともにゆっくりと、しかし確実に変化する素材でできている。時計の文字盤について驚くべきことのひとつは、もともと時計の文字盤をつくるために使われていた材料が、どれだけ化学的に安定しているのか、信頼できる情報が実際にはほとんどないということだ。一般的に塗料やラッカーの平均寿命は限られている。時計の文字盤は、酸化、熱、紫外線、湿気などの影響をゆっくりと、そして取り返しのつかない、ほぼ再現不可能な影響を受ける。ポール・ニューマン デイトナが1万ドル(当時の相場で約108万円)以下の時計だった時代であれば大した問題ではなかったかもしれないが、今日では何十万ドル、あるいは何百万ドルもの大金が、その絶妙な文字盤の美観にかかっており、また文字盤の状態が永遠に続くことを考えていない時計では、この問題は心配の種となるのだ。夜光塗料は遅かれ早かれ文字盤から剥離するし、“トロピカル”と呼ばれるダイヤルは今後も色あせ、変色し、予測不能な変貌を遂げる可能性が非常に高い。そして現在の状態が将来も維持されるという、ほとんど暗黙の前提で購入した超高額時計の文字盤が、今後数十年のあいだにどうなるかは誰にも断言できないのだ。

過去10年間、ヴィンテージウォッチはいい投資だったのだろうか? 少なくともいくつか例では、ほとんどの投資手段で聞いたことのない収益率を持った素晴らしい投資であった。しかし近い将来、最悪の状況を迎えるかもしれない。ヴィンテージウォッチ市場の軟化と、市場に流通するであろう膨大な数の偽物、そして多くの時計に見られる取り返しのつかない物理的劣化とが相まって、ヴィンテージウォッチ収集は非常に危険な航海になる可能性があるのだ。

ブルガリ オクト フィニッシモは2012年の登場以来、デザインのアイコンとして活躍している。

過去12年間に数多くの限定モデルがリリースされたが(知っているものもあれば、驚くようなものもあるかもしれない)、間違いなく最高のもののひとつは、2022年に、コレクション10周年を記念してリリースされた“スケッチ”だろう。

ブルガリはみんながスケッチを気に入ったことを知っているし、同じくメゾンのお気に入りのひとつとなった。だからこそ、ブルガリオルロジュリーのプロダクト・クリエーション・エグゼクティブ・ディレクター、ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ(Fabrizio Buonamassa Stigliani)氏が、メゾンの創業140周年を記念して、オクト フィニッシモ オートマティックとクロノグラフGMTのために再度鉛筆と木炭を取り出し、新しい“スケッチ”ダイヤルをデザインした。今回は、時計を裏返さなくともムーブメントを見ることができるようなスケッチだ。スペックは既存モデルと同じのため、このふたつの時計に関する以前の記事(前回の“スケッチ”LEなど)で確認してほしい。新作では、40mm径の18Kローズゴールドまたはスティールケースのオートマティックと、43mm径SSケースのクロノグラフ GMTが用意されている。

私は昨年半ばに、ブルガリが時計製造を行う本社を訪れたのだが、そのときオリジナルのクロノグラフ GMT スケッチを貸してくれた。そしてすぐに私のお気に入りの時計になった。彼らは、手描きのデザインを模倣するために正確なテクスチャーと奥行きを得て製造するのがとても難しいと説明してくれた。そして今、彼らは再びそれを成し遂げた。新しいオートマティックが、よりシンプルで洗練されたオリジナルの“スケッチ”ほど好きかどうかはまだわからないが、私はボナマッサ・スティリアーニ氏の大ファンなので、彼の審美眼と創造的な世界観がますます好きになった。私が完全に理解したときには、きっと手遅れになっているだろう。

Octo Finissimo
ボナマッサ・スティリアーニ氏は、オクト フィニッシモのオリジナルダイヤルデザインを再現するのではなく、シースルーバックを見ているかのように、荒削りながらもムーブメントを視覚的に美しい形で描いた。また文字盤や石など、さまざまなパーツを説明したテキストも追加されており、H.モーザーの“エンデバー・パーペチュアルカレンダー チュートリアル”をほうふつさせるものとなっている。クロノグラフ GMTの画像はまだ共有されていないが、文字盤デザインは3つのモデルのなかでも一番お気に入りで、もしかしたらオリジナルスケッチを抑えて新しい一番になるかもしれない。

Chronograph GMT
オートマティックはSS製が世界限定280本で250万8000円、RG製が世界限定70本で723万8000円(ともに税込)で販売。シースルーバックには“EDIZIONE LIMITATA”と“1884 – 2024”の文字もプリントされている。なおSS製クロノグラフ GMTは世界限定140本で、価格は2万800ユーロ(日本円で約336万3000円)だ。

ティソはここ数年、PRXからシデラルまで、ヘリテージにインスパイアされた手頃な価格の時計を発表している。

60年代のオリジナルモデルよりも大振りながら、ヴィンテージクロノグラフを忠実にアップデートしており、こちらは30万円以下で購入できる。

ティソは60年代にPRコレクションを発表した。PRコレクションはミッドセンチュリー期のマーケティング用語で、“より頑丈”を意味する。1968年には、PRコレクションに最初のクロノグラフを追加し、この新しいPR516はそれを参考にしている。その数年前に発売されたデイトナやカレラのように、PRをレースに適したモデルにすることが狙いだった。オリジナルのPRクロノグラフは、ミッドセンチュリー期の純然たるクロノグラフが持つシンプルさと、70年代のファンキーなデザインのあいだにうまく収まっている。ケースはずっしりと分厚いが、サイズは36mmと小振りで、鮮やかな色もいくつか配されているが、完全なディスコスタイルではない。

PR516 クロノグラフ メカニカルはこの外観を一新し、ケースサイズを41mm、厚さを13.7mm(ラグからラグまで49mm)へと変更した。その厚さの約1.5mmはボックス型のサファイア風防によるものだ。直径とラグからラグまでの長さは均整のとれた時計になっているが、ケースは厚みがあり、特にミドルケースは平坦で曲線がない。手首につけてみると、チューダーのブラックベイ クロノをほうふつとさせるが、ほんの少しサイズが小さい。特に手巻きムーブメントであることを考慮すると、PR516があと数ミリ薄くなっていれば、ほかの競合製品とは一線を画していたと思う。

ただ実際に使ってみると、PR516は非常によくできている。41mm(もし5年前に登場していたら、これは42mm…あるいは44mmだったかもしれない)、ノンデイトで、目を引くほどの存在感を放つルックスを持ち、そして伝統にインスパイアされたデザインだ。

写真を見てわかるように、PR516は上から見ると均整が取れているが、横から見ると厚みが目立つ。しかし、分厚いクロノグラフはティソ特有の問題ではない。2倍、3倍、あるいは4倍以上の価格のブランドの製品を見てみると、同じような大きさのものをよく見かける。

PR516のサファイア製シースルーバックのなかには、Cal.A05.291が収められている。これはバルジュー7753をベースにしたクロノグラフムーブメントであり、そこから基本的な自動巻き機構を取り除いて、2万8800振動/時、約68時間パワーリザーブを発揮する手巻きクロノグラフとして動作させた。なお価格帯では当然といえば当然だが、ムーブメントはインダストリアルな仕上がりをしている。

ティソは文字盤とベゼルの仕上げにこだわった。マットブラックの文字盤には、オレンジ色のクロノグラフ秒針と、30分積算計インダイヤルに淡いブルーとレッドというポップなアクセントを施している。またインダイヤルには、コントラストを際立たせるためにシルバーの同心円リングを採用。針とインデックスはスーパールミノバでコーティングし、ベゼルのスケール部分にもちょっとした遊び心を加えている。

この文字盤について唯一の批判は12時位置のサインだ。これはPRXコレクションについて言及したことと似ている。(1)ティソ以外には何の意味もないため“1853”を廃止して欲しく、(2)このようなヘリテージにインスパイアされたモデルには、古いスタイルのフォントやPRクロノのような時計で見られるブロックTのロゴも見てみたい、ということだ。文字盤にはすでに遊び心のあるヴィンテージの雰囲気を漂わせているが、それに合わせたロゴ加工があれば最高にいい。

ケースはサテン仕上げのほか、傾斜したポリッシュ仕上げの面取りが施されている。ブレスレットのフィット感と仕上げも、27万3900円(税込)の時計としては見事なものだ。ブレスレットも同様に、エッジはポリッシュ仕上げで、フォールディングクラスプに向かって20mmから18mmへとテーパーがつけられ、3段階のマイクロアジャスト機構が備わっている(使用には工具が必要)。ブレスレットはクイックリリース式のため、工具なしで取り外してストラップの交換ができる。この価格で工具不要のマイクロアジャスト調整ができるブランドがほかにもあると考えると、もう少しクラスプがアップグレードされていてもよかったと思うが、ブレスレットの頑丈さと快適さには感動した。

スペックシートから、この時計が私の16cmの手首に合うとは思っていなかった。しかし、ラグからラグまでが49mmのため、比較的コンパクトにつけられ、手首からはみ出すこともない。数日間着用したが、まさに日常使いできるクロノグラフであった。厚みはあるがまったく邪魔にならないし、どこかチャンキーな雰囲気は、スペックアップされているとはいえ、ファンキーな70年代への扉を開くきっかけとなったオリジナルのPRクロノにどこか忠実な感じがする。

価格は27万3900円で、30万円以下の機械式クロノグラフという真の競争相手はあまりいないだろう。ハミルトンのイントラマティック クロノグラフ H ブレスレットは32万3400円、ティソ PRX オートマティック クロノグラフは28万7100円、昨年セイコーが新たにリリースしたスピードタイマー メカニカルクロノグラフは35万2000円(すべて税込)だ。また、ファーラン・マリの新しい機械式クロノグラフは2750スイスフラン(日本円で約46万9000円)である。

しかし、伝統にインスパイアされた機械式クロノグラフが欲しいなら、ティソ PR516は独自の道を確立している。前述したように、その意図も手首に巻いたときの感触も、ブラックベイ クロノを想起させる。でも正直、PR516のほうがおもしろいと感じるのだ。はっきり言って両者は競合しないが(PR516は3分の1の価格だ)、これはティソがヘリテージウォッチでどれだけ進歩したかを物語っている。同じような時計を3倍の値段で買うことに疑問を感じてしまう。

もちろん、完璧ではない。30万円以下の時計がそうであるように(あるいはどんな価格でもそうかもしれないが)、妥協は必要だ。いずれにしてもPR516は新たに市場に加わった手堅い製品である。機械式クロノグラフのPRXではなく、愛好家と一般の消費者層の両方を魅了する時計ではないだろうが、それで十分だ。同じ場所に雷が落ちることはないが、最近のティソはコンスタントに成功を収めており、なんだかうれしい気持ちになる。

ティソ PR516 クロノグラフ メカニカル。直径41mm、厚さ13.7mm、ラグからラグまで49mm。100m防水。フォールディングクラスプ付きステンレススティールブレスレット。手巻きCal.A05.291搭載、時・分・秒表示、クロノグラフ。約68時間パワーリザーブ、2万8800振動/時。27万3900円(税込)

オメガとスウォッチがムーンスウォッチの新しいバリエーションを発表!

“溶岩(Lava)”から“北極の光(Polar Lights)”、そしてその狭間に位置する“砂漠(Desert)”まで。これらは今まででもっともクリエイティブなムーンスウォッチのリリースかもしれない。

このふたつのブランドは本日、3本の新作を発表した。満月にインスピレーションを受けた絶妙なバリエーションや、スヌーピーにインスパイアされた2本のリリースとは異なり、これらは地球に着想を得た非常にクリエイティブなものとなっている。

上の写真は“ミッション・オン・アース – ポーラーライツ(Polar Lights)”と呼ばれるモデルで、ケースと針はターコイズブルー(いや…、かなりグリーンがかったターコイズブルー)、文字盤にはアベンチュリンガラスの文字盤からインスピレーションを得たシルバーの小さな薄片の“星”が散りばめられている。また、“ミッション・オン・アース – デザート(Desert)”はサンドカラーで、文字盤とストラップは世界の地表の5分の1を占める砂漠にインスパイアされたグレージュ(トープ)を選択している。

最後に、地球上にあるおよそ1670の活火山から流れ出る高温の溶岩(もちろん、高温の火山灰やガスも)にインスパイアされた“ミッション・オン・アース – ラヴァ(Lava)”。この時計のさらにクールな点は、オレンジ色の秒針を備えたスピードマスター“ウルトラマン”へのオマージュである。3つのサブダイヤルの数字、およびインデックスは、オメガのアラスカIIおよびプロジェクトIIIのスピードマスターと同じように放射状に配置されている。

これら3つとも、6月15日(土)にスウォッチの“厳選された”店舗(実際にどのように店舗が選ばれているかは不明)で4万700円(税込)で販売される。

信じられないことに、ムーンスウォッチの発売からもう2年が経とうとしている。そしてそれだけの時を経たのち、直近のリリースでスウォッチはゆっくりと地球に戻ってきている。

登場したばかりのムーンスウォッチは、太陽系の主要な天体(私たちの太陽系を含む)のほとんどをカバーしていた。それが熱狂の幕開けとなり、時計はかつて私たちが見たことのないような形で広く世の中に浸透していった。その後、スヌーピーの魅力をフルに引き出した“ミッション・トゥ・ムーンフェイズ”が登場して、私も初めてムーンウォッチを手にすることになった。しかし今回発表されたのは、私たちが故郷と呼ぶ宇宙に浮かぶ大きな星をより深く見つめることに特化した、ムーンウォッチ初のモデルである。ときどきムーンウォッチ疲れとでも呼ぶべきものに悩まされることがあるが、“アベレージ・ジョー(ここでは時計愛好家ではない普通の人々の意)”を時計の世界に引き込んだ彼らのパワーは認めるべきだし、私でさえこれらの新しい時計はかなりクールだと言わざるを得ない。

写真からの判断になるが、新作の“ポーラーライツ”は、アベンチュリン風のキラキラした文字盤で私のお気に入りになるだろう。“ラヴァ”のインスピレーション源がスピーディの“ウルトラマン”であることについては、オメガも素直に認めている。このふたつのブランドは、オリジナルのスピードマスターが有するコレクター心をくすぐる難解な情熱をよく理解しているのだ。サンドカラーモデルの“デザート”は、今回の3モデルのなかではもっとも落ち着いた印象で、“ミッション・トゥ・サターン”や“ミッション・トゥ・ジュピター”を彷彿とさせる(この2モデルは、いずれもオーソドックスなカラーで人気を博している)。

基本情報
ブランド: オメガ × スウォッチ(Omega x Swatch)
モデル名: ムーンスウォッチ ミッション・オン・アース ラヴァ、ポーラーライツ、デザート(MoonSwatch Mission On Earth Lava, Polar Lights, and Desert)

直径 42mm
厚さ: 13.25mm
ケース素材: オレンジ、ターコイズ、サンドカラーのバイオセラミック
文字盤色: ブラック、極小のシルバーがきらめくダークブルー、トープ
夜光: あり、インデックスと針
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ベルクロストラップ

ムーブメント情報
キャリバー: クォーツクロノグラフムーブメント
機能: 時・分・秒表示、クロノグラフ

価格 & 発売時期
価格: 4万700円(税込)
発売時期: 6月15日(土)、一部のスウォッチストアにて

優れた時計と同じように手触りの良いパワフルなフォルムに純粋な機能を備えています。

ほぼすべてのアイコンのステータスは、その遺産の上に築かれています。クロノグラフ1は911をデザインしたフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェによって設計デザインされたものです。文字盤は911のダッシュボードのメーターから着想を得ており、時間を伝えるだけでなく、最速のラップから日々のラリーまでの時間を測定するのに役立ちます。

ブラックアウトというコンセプトはほかのブランドでも試みられたものですが、ポルシェデザイン クロノグラフ1はフォルム、機能、視認性の高さを融合させた先駆者でした。ほかの真のアイコンと同様、このモデルも時代の最先端を行くものであったため、発表と同時に賛否両論が巻き起こりましたが、今日クロノグラフ1は不朽の名作として語り継がれています。そこでHODINKEEとポルシェデザインがコラボレーションし、350本限定のトリビュートモデル、

コラボレーションのためにHODINKEEらしいタッチをほんの少し加えただけで、新しいクロノグラフ1はよく見慣れたものになっていると思います。実際あまり紹介する必要もないと思いますが、簡単に見ていきましょう。

1972年、クロノグラフ1がF.A.ポルシェによって設計されたとき、それは実用的なツールであり、物議を醸すような時計ではありませんでした。当初この時計は選ばれた従業員だけが着用する時計として作られたのです。しかし、すぐに噂が広まり、ポルシェ愛好家たちが自分のものとして欲しがるようになりました。やがてこの時計は一般に向けて発売され、インスピレーションの源となった911と同様にポルシェ正規販売店で販売されました。その後、クロノグラフ1は幾度かのモデルチェンジを経験し、ポルシェデザイン50周年を記念して2022年にオリジナルに忠実なオマージュとして復刻されています。

F.A.ポルシェの仕様にほぼ忠実でありながら、現代向けにアップデートされています。スイスのゾロトゥルンにあるポルシェの時計工場で設計、開発、製造されました。その際にF.A.ポルシェが現代のリリースに向けてどのような改良を加えただろうかと想像を巡らせました。その答えは? 改良の余地はほとんど無いという結論に達しました。アイコンを改良するのは難しいのです。

オリジナルのクロノグラフ1のデザインをリフレインしながら、ケースは直径40.8mm、厚さ14.15mmに。それとマッチするように装着されたブレスレットは、耐久性に優れた超軽量チタニウム製で、マットブラックのチタンカーバイドコーティングが施されています。ヴィンテージ911の雰囲気をより現代的な仕様で再現しようとするポルシェ愛好家の最近のバックデート志向のように、クロノグラフ1 HODINKEEモデルのスーパールミノバ®は、文字盤のインデックスの方が針よりもやや濃い、レトロ風の色合いを帯びています。この微妙な調整により、オリジナルの文字盤の経年変化に慣れ親しんだヴィンテージ・クロノグラフ1の愛好家にとって、この新しい時計はより親しみやすいものとなっています。

ダイヤルにはオールドスクールなポルシェデザインのロゴとフォントが使用され、アメリカ市場への敬意を表して「1 Mile」グラフィックが再現されています。6時位置の「H」は、文字盤上で唯一ホディンキーにちなんだもので、軍用モデル「3H」に使用された1972年のポルシェデザイン・レッドで表現されています。

日本のポルシェデザインとHODINKEEファンコミュニティへのオマージュでもあります。そのため、3時位置のデイ&デイト表示は英語と日本語に対応しています。クリックとリューズを数回回転させるだけで、どちらの言語で表示されるかを選ぶことができます。

ダイヤルデザインは、上部に30分積算計、下部に12時間積算計、9時位置にランニングセコンドを配した、アイコニックな6-9-12サブダイヤルレイアウトを継承しました。しかし今、そのボンネットの下には、超高精度のポルシェデザイン・キャリバーWERK 01.140が搭載されています。このムーブメントは、歴史的なポルシェデザインのロゴ、レタリング、限定ナンバーを示すチタン製のクローズドケースバックの裏で安全に収納されています。また、HODINKEEの名前とアイコン、「2024」という年、そして「TRILOGY – CHAPTER 1」という刻印が施されています。

初代911や1972年のポルシェデザインの黎明期のように、HODINKEEの新しいクロノグラフ1限定モデルは、物語の始まりに過ぎません。しかし、この新しいクロノグラフ1がアイコンになるかどうかを決めるのは、時計自体ではなく、それを身につける人々と彼らがそれを使って行うことなのです。