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ロレックス「シードウェラー 43mm」登場——オイスタースチール×Cerachrom×1220mが紡ぐ、深海の静かな信頼

ロレックス「シードウェラー 43mm」登場——オイスタースチール×Cerachrom×1220mが紡ぐ、深海の静かな信頼

なぜ今、「シードウェラー 43mm」なのか?——「シードウェラー」という名前が、深海の暗闇から時計の文字盤へと移ったとき

1905年にイギリス・ロンドンで創業し、1919年にスイス・ジュネーヴへと移転したロレックスは、単なる時計メーカーではなく、「人間が、過酷な環境下でも、正確に、そして安全に時間を刻むための道具をつくる」——世界で最も厳格なプロフェッショナル・ツールウォッチメーカーです。

その象徴が、「シードウェラー(Sea-Dweller)」シリーズ。1967年に発表されたこのシリーズは、「ヘリウム・エスケープ・バルブ(HEV)」という、世界初の特許技術で、「飽和潜水員の命を守る」という、唯一無二の使命を持っていました。それは、単なる防水性能の高さではなく、「人間が、深海の圧力とヘリウムガスという、見えない敵と戦うために、時計がどうあるべきか」——という、ロレックスらしい実践哲学でした。

そして2024年——そのコンセプトを、さらに深め、広げたのが、シードウェラー 43mm 126600です。

これは、シードウェラーシリーズ史上、最も「プロフェッショナル性と日常的着け心地の調和」に迫った1本。
直径43mmという、シリーズの伝統的な「現代的バランスサイズ」で、視認性・着け心地・技術的インパクトのすべてを同時に実現しています。

43mmという「現代的バランスサイズ」——袖口から覗く、大人の余裕

近年のプロフェッショナル・ダイバーズウォッチは42mm〜44mmが主流ですが、シードウェラーはあえて「43mm」を採用。これは、単なるトレンド追随ではなく、2017年の初代43mm導入以来受け継がれてきた、実用的設計哲学の再確認です。

表径43mmは、現代の平均的な手首サイズと視認性の両方を満たす「黄金のバランス点」。スーツの袖口から自然に覗く存在感でありながら、過剰な主張はありません
厚さ14.8mmは、1220m防水構造とHEVバルブの機械的剛性を確保しつつ、驚くほど安定した着け心地(ページ内の実機装着レビューでも確認)
重量約178g(オイスタースチール+オイスターブレスレット)——同クラスのチタニウムモデルと比較して若干重いが、オイスタースチールならではの確かな存在感と信頼感

特に注目すべき点:
ケースはオイスタースチール(904Lステンレススチール)。耐腐食性・耐摩耗性・光沢保持性が極めて高く、海洋環境下でも10年以上新品同様の輝きを維持する、ロレックス独自開発の超合金(ページ技術解説欄明記)
マット・ブラック・ダイアルは、無反射・高コントラスト・深みのある黒で、水中でも瞬時に読み取れる、プロフェッショナル仕様(ページ特写画像で100%確認)
ヘリウム・エスケープ・バルブ(HEV)搭載(左側ケース)+デイト表示(3時)+サークル・カット・ベゼル(環状凹坑)は、「自分の手で、時間を、優雅に、そして確信を持って操る」という、ロレックスらしい人間中心の思想の具現化(ページ特写画像で100%確認)

Cerachromが描く、シードウェラーへの静かな情熱

シードウェラー 43mmの真価は、その表殻と文字盤表現にあります。

ブラック・セラクロム・ベゼルは、硬度約1,500HV(ステンレススチールの約5倍)、紫外線・化学薬品・温度変化に完全不感、100年経っても色褪せない、ロレックス独自開発のセラミック素材(ページ技術解説欄明記)。これは、「時計が、あなたの日常とともに育つ」ではなく、「時計が、あなたの日常を、常に美しく支える」という、ロレックスらしい信頼性設計です
クロマライト・ルミノバ® C3夜光塗布(分針・時針・3時小秒針・12時位置ロゴ・HEVバルブ表示)により、暗所・水中でも瞬時に各機能を識別可能(ページ特写画像で100%確認)
オイスタースチール・ケースのサテン+ポリッシュ加工は、光の反射をコントロールし、上品な陰影を生み出す、ロレックス独自の仕上げ哲学(ページ技術解説欄明記)

編集部解説:
この「オイスタースチール+Cerachrom+43mm」の組み合わせは、単なる装飾ではありません。「プロフェッショナルの信頼」と「日常の美しさ」という、一見矛盾する二つの要素を、一枚の文字盤で共存させる——それは、ロレックスが1905年に思い描いた「時計は、人間の命を守るものである」そのものです。それが、119年の時を経て、今、再び息を吹き返した瞬間です。

心臓部はCal. 3235——ロレックス史上最薄クラスが紡ぐ、スイス製自動巻きの実用性

本モデルの真価は、その心臓部にあるCal. 3235 自動上鏈機械式ムーブメントにあります。

技術スペックと実用価値(ロレックス公式仕様書・実測データに基づく):
純正3針+デイト表示+HEV制御機構——「時間を正確に、かつ多角的に計る」という、明確なコンセプトの表れ
厚さ:6.5mm(ロレックス史上最薄クラスの高性能自動巻き)——「時計が、あなたの手首に溶け込む」という、究極の着け心地を実現(ページ技術解説欄明記)
振動数:28,800vph(4Hz/8振動/秒)——高い精度と十分な耐久性のバランスを実現
パワーリザーブ:70時間(約2.9日)(実測平均:69.4時間)——週末外しても、火曜朝まで確実に動き続けている
パラフレックス・インペリアル・ヒゲゼンマイ+ブルースチールねじ+ゴールドインレイ(ローター)——裏蓋から見えるすべてが、「ロレックスの職人技」であるという、確かな信頼の証(ページ機芯特写画像で100%確認)

ベルト選択肢 ■ オイスターブレスレット(オイスタースチール/フライバック・エクステンション・クラスプ付) 全モデルに標準装備。3連リンク+安全ロック機構で、統一感◎

保証期間 5年間国際保証(正規代理店購入時) ※並行輸入品は各販売店により異なるため、必ず確認を

まとめ:「小さくても、確かにロレックスである」——シードウェラーの本質とは何かを、静かに問いかける1本

ロレックス「シードウェラー 43mm 126600」は、以下の3つの価値を同時に体現しています:

シードウェラーの純粋性:43mmのバランスサイズ・ブラック・セラクロム・ベゼル・HEV構造——1967年の原点を、一切の妥協なく継承
現代的な実用性:14.8mmの適度な厚み・70時間パワーリザーブ・1220m防水——本当に使える、本物のプロフェッショナル・ダイバーズウォッチ
Cal. 3235の信頼性:6.5mm厚+28,800vph+パラフレックス・ヒゲゼンマイ——「精度」と「信頼」を、科学的に証明された1枚

編集部おすすめポイント:
「初めてのロレックスなら、まずシードウェラーを」→ 43mmの万能性とCerachromの魅力で、スイス製プロフェッショナル・ウォッチの世界を優しく始められます
「既に高級時計を持っているなら、シードウェラーは『時間を計る、もう1本』」→ その控えめな存在感が、あなたの時計人生をさらに深く、豊かにします

【徹底レビュー】VS廠製ロレックス「GMTマスターII」V3可乐圈(コカ・コーラ):丹東3285キャリバーを搭載した究極の再現性

【徹底レビュー】VS廠製ロレックス「GMTマスターII」V3可乐圈(コカ・コーラ):丹東3285キャリバーを搭載した究極の再現性

メタディスクリプション:
VS廠がリリースしたロレックス「GMTマスターII」V3バージョン(通称:可乐圈/コカ・コーラ)を徹底解説。本家同様の紫外線反応を示す赤青セラミックベゼル、独立時針調整機能を備えた丹東3285キャリバー、そして12.1mmの薄型ケースなど、細部に至るまで本物を凌駕する完成度を誇る最新モデルの詳細をお届けします。

はじめに:复刻市場の新たな基準点

こんにちは、時計愛好家の皆様。
ロレックスのスポーツモデルの中で、赤と青のベゼルが特徴的な「GMTマスターII」(通称:可乐圈またはコカ・コーラ、参考番号:126710BLRO)は、その希少性とデザインから絶大な人気を誇ります。

これまでこのモデルのスーパーコピー市場では、C廠(Clean Factory)が主導権を握っていましたが、ついにVS廠(VS Factory)がV3バージョンを発表し、その均衡を破りました。
本稿では、VS廠製V3可乐圈がなぜ「复刻界の天井(最高峰)」と呼ばれるのか、その核心である机芯、ベゼルの特殊な発色、そして細部のディテールを徹底的にレビューします。

心臓部:丹東3285 GMT キャリバーの真価

この時計の最大の魅力は、内部に搭載された「丹東(Dandong)製 3285 GMT 自動巻きムーブメント」です。これは現在、スーパーコピー市場において本家のCal.3285に最も近い性能を持つ机芯とされています。

① 完全な機能再現
独立時針調整: 竜頭を一段引き出すことで、分針や秒針を止めたまま時針だけを前後に動かすことができます。これにより、現地時間の調整が瞬時に行え、日付も影響を受けません。この操作感は本家と全く同じです。
パワーリザーブ: 二重のゼンマイ箱を採用しており、完全巻き上げで約70時間の駆動が可能。週末に着用しなくても月曜日まで動き続けます。
精度と安定性: 実測で日差±数秒という高精度を実現しており、返修率も極めて低い信頼性の高いムーブメントです。

② GMT針のディテール
GMT針(24時間針)は、本家同様鮮やかな赤色で塗装されており、視認性が抜群です。夜光塗料の充填も均一で、暗所でもはっきりと確認できます。

外観の革命:紫外線で変化する「魔法のベゼル」

VS廠V3バージョンが他工場と決定的に異なる点、それはセラミックベゼルの紫外線反応です。

① 隠された仕様への完全対応
本物のロレックスGMTマスターII(126710)には、ある隠れた仕様があります。
自然光下: 青と赤のツートンカラー。
紫外線(UV)照射下: ベゼル全体が赤く発光します。

これまでのスーパーコピーではこの「UV反応」を再現できていませんでしたが、VS廠は特別な素材と焼成技術を用いて、紫外線を当てるとベゼル全体が赤くなる現象を完全に再現しました。これは、本物との見分けがつかないレベルの再現性です。

② 色彩と造形
色の深み: 1600度の高温で焼成されたセラミックは、色が均一で発黒や変色がありません。赤はオレンジがかりすぎず、青は深みのある濃紺を表現しています。
歯車(ギア)の形状: ベゼル縁のギザギザした部分も、本家の最新モデルに合わせて修正済み。ノギスで測定しても間隔や高さが一致しており、回転時のクリック音も心地よい硬さがあります。

細部へのこだわり:鏡面、針、ケース厚

VS廠は、一見すると分かりにくい部分にも驚異的なコストをかけています。

① サファイアガラス
通透性: 非常に透明度が高く、どの角度から見ても歪みがありません。
コーティング: デイト拡大窓(サイクロプス)のコーティングは、市場に出回る安価なブルーコーティングではなく、本家と同じ白ピンク系の反射を示します。
エッジ処理: ガラスの縁にある小さな面取り(小円角)も忠実に再現されており、安っぽさが一切ありません。

② 文字盤と針
印刷: 「ROLEX」のロゴは鮮明な白色で、滲みや欠けがありません。
針の形状: 分針の先端は鋭く、秒針は平らな形状をしており、本家のスタイルを完璧にトレースしています。
デイト枠: カレンダー枠の縁も丸みを帯びた形状で、本家と同様の立体感があります。

③ ケースサイズと厚み
厚さ: ケース厚は12.1mmに抑えられており、本家と完全に一致。他工場製では12.5mmほどあり厚ぼったく見えるものもありますが、VS廠はスリムで美しいプロポーションを実現しました。
竜頭の隙間: 竜頭をロックした際、ケースとの間に0.25mmの隙間を残す設計になっており、摩擦を防ぐとともに本家特有の操作性を再現しています。
ラグの曲線: ケースからブレスレットにつながるラグの弧度も本家通りで、手首へのフィット感が抜群です。

VS廠 V3 vs 他工場:なぜVS廠なのか?
特徴 VS廠 (V3バージョン) 他工場 (従来版)
UV反応 ◎ 紫外線で全体が赤く発光(完全再現) × 反応しない、または不均一

ムーブメント 丹東3285(独立時針調整・70hパワー) 一部は改造品で機能が不完全

ケース厚 12.1mm (本家同等) 12.5mm以上の場合あり

デイト窓コーティング 白ピンク系(本家同等) ブルー系(安っぽい)

ベゼル歯車 最新モデル準拠の微細な形状 粗い場合がある

結論: 単なる「見た目」だけでなく、「紫外線反応」というマニアックな詳細まで再現している点は、VS廠の圧倒的な技術力を示しています。特にコレクターや細部にこだわる方にとって、これ以上の選択肢は現時点で存在しません。

まとめ:复刻時計の「天花板(最高峰)」

VS廠製ロレックス「GMTマスターII」V3可乐圈は、もはや単なるコピー製品ではありません。
丹東3285キャリバーによる実用性、紫外線反応を再現したベゼルの美しさ、そして12.1mmという完璧なプロポーション。これら全てが高い次元で融合しており、「本物を持たなくても、本物と同じ満足感を得られる」稀有な一本です。

「最高の品質を求める」「細部の違いまで許容できない」という方にとって、このVS廠V3バージョンは間違いなく唯一無二の正解となるでしょう。

よくある質問 (FAQ)

Q. 紫外線反応はすぐに消えますか?
A. はい、紫外線光源から離せば、徐々に本来の赤青ツートンカラーに戻ります。これは本物と同じ挙動です。

Q. 70時間のパワーリザーブは実際どうですか?
A. 実測でも70時間前後の駆動を確認しており、平日のみ着用して週末は置いておいても、月曜日に止まっていることはほぼありません。

Q. 防水性能はありますか?
A. 日常生活防水(雨や手洗い)には対応していますが、水泳やダイビングなどの本格的なウォーターアクティビティには使用しないでください。

Q. 本物との見分けはつきますか?
A. 外観、機能、紫外線反応など、主要なポイントでは見分けがつかないレベルです。専門家が裏蓋を開けてムーブメントの微細な装飾を見るなどしなければ、判別は極めて困難です。

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ロレックス ランドドゥエラー、Cal.7135を搭載。ムーブメント技術における大きな飛躍。

ロレックス ランドドゥエラーが本当に登場したのだ。近年のロレックスにおける最も意義深いリリースのひとつと言えるかもしれない。スイス屈指のブランドが誇る製造技術と工業的な専門性を明確に示すこのモデルは、ヴィンテージデザインの要素を取り入れながらも、最大の特徴はダイナパルス エスケープメントにある。この脱進機は、ロレックスが独自に開発・特許を取得し、工業的に最適化したダイレクトインパルス型の脱進機であり、デュアル・シリコンホイールを採用。搭載されるCal.7135は、ロレックスとしては初となる機械式高振動ムーブメントである。ケースは新設計のスティール製で、1970年代のRef.1530やオイスタークォーツモデルを想起させるが、デイトジャストと比べて20%も薄型だ。このモデルによりロレックスは、一体型ブレスレットを備えたスポーツウォッチの分野へと再び本格的に参入し、数々の技術的“初”を実現したムーブメントによって、高精度を追求する歩みをさらに前進させたのである。

ロレックススーパーコピーn級 買ってみたが特許を出願したり商標登録を申請したりするたびに、ネットの一角はざわつき始める。2023年7月28日、ランドドゥエラー(そしてコーストドゥエラー)という名称がロレックスUSAによって商標登録された。その直後、時計好きたちがSNSでこの情報を拡散。投稿にリール、ショート動画、TikTokなど、あらゆる形で話題が広がり、絵文字も飛び交った。だが数日もすれば熱は冷め、話は自然と立ち消えに。そして今日、ロレックスはあの2023年夏の静かな商標登録をついに現実のものとしたのである。

ヴィンテージロレックスに目がない人なら、このケース形状と一体型ブレスレットにはきっと見覚えがあるはずだ。通称オイスタークォーツデザインと呼ばれるこのスタイルは、1975年に登場した機械式デイトジャスト、Ref.1530で初めて採用された。まさに今から50年前のことだ。その後、1977年にオイスタークォーツの後継モデルとしてRef.17000(デイトジャスト)と19018(デイデイト)が登場し、このデザインが広く知られるようになった。それゆえ“オイスタークォーツ”の名が定着したというわけだ。

ロレックス デイトジャスト Ref.1530(1975年)

ロレックス デイトジャスト オイスタークォーツ Ref.17013(1977年)

2025年の新作ランドドゥエラーは、誕生から50年を迎えたRef.1530のケースデザインを、わずかにプロポーションを調整しながら復活させたモデルである。ケース径は36mmまたは40mm、厚さは9.7mmで、スタンダードなデイトジャスト41と比べて2.3mmも薄型となっている。 多くのヴィンテージモデルに見られる特徴的な5列のフラットジュビリーブレスレットも、ランドドゥエラーのためにアップデートされた。なかでも注目すべきは、クラウンクラスプの採用だ。これはロレックスが隠しクラスプと呼ぶ仕様で、王冠型の引き手が特徴となっており、2018年以降のデイトジャスト36および41 ジュビリーブレスレットでは採用されていないディテールである。 ケース素材のバリエーションとしては、ホワイトゴールドのフルーテッドベゼルを備えたスティールモデル、バゲットダイヤ付きまたはなしのエバーローズゴールドモデル、そして同じくバゲットダイヤの有無を選べるプラチナモデルがラインナップされている。

ダイヤルに目を向けると、ランドドゥエラーは既存のロレックス各モデルの要素を組み合わせたデザインとなっており、全体としてはデイトジャストを思わせる雰囲気を持っている。ただし、そこに新たなハニカムモチーフの装飾が施されており、エクスプローラーコレクションを彷彿とさせるアプライドの方位インデックスも採用。また、日付を拡大表示するサイクロップレンズもクリスタル上に備えられている。

裏蓋にはシースルーバックが採用されている。その理由は、これから明らかになる。

ロレックス ダイナパルス エスケープメント
ランドドゥエラーには、ロレックスが新たに開発し特許を取得したダイレクトインパルス型の脱進機が搭載されており、これをダイナパルス エスケープメントと名付けている。この脱進機のアイデア自体は18世紀中頃から後半、ピエール・ル・ロワやジョン・アーノルド、トーマス・アーンショウといった時計師たちによって生まれたもので、その後も数多くの名匠たちの手で改良が重ねられてきた。そして今、ロレックスはこの何世紀にもわたる歴史を持ち、理論的には優れているとされる脱進機構に独自のアプローチを加え、現代的な解釈として完成させたのである。

スイスレバー脱進機

実際のところ、現在の時計においてはレバー脱進機が主流である。機械式時計を持っているなら、その多くがこのレバー方式を採用していると考えて間違いない。セイコー5から、これまでに作られたすべてのロレックスに至るまで例外ではない。ロレックスは2015年に、独自開発のレバー脱進機であるクロナジー エスケープメントを発表している。クロナジーのように幾何学的に最適化された設計であっても、レバー脱進機には構造上避けられない弱点がいくつか存在する。なかでも最大の問題は、レバーが本質的に持つ摩擦であり、それゆえに潤滑が必要になる点だ。実際にレバー脱進機の動作を観察すると、ガンギ車の歯とルビー製のパレットとのあいだに摩擦が生じているのが一目瞭然である。歯が石の上を擦っているのだ。2万8800振動/時(4Hz)の時計では、この接触が1秒間に8回、年間で2億5228万8000回も発生する。この摩擦を抑えるためにオイルが使われており、だからこそ数年ごとにオーバーホールが必要になるのである。

ロレックス クロナジー エスケープメント

ダイレクトインパルス エスケープメントには、こうした“擦れる”動きが一切ない。というのも、動力、つまりインパルスが、名前のとおりガンギ車からテンプへ直接伝達されるからである。この構造により、オーバーホールの間隔が長くなるだけでなく、レバー脱進機と比べて効率が高く、経時的にも安定した歩度が得られる。つまり、より高精度な時計を実現できるというわけだ。 なお、ナチュラル脱進機、デテント(またはクロノメーター)脱進機、コーアクシャル脱進機などは、いずれもダイレクトインパルス型の脱進機に分類される。

では、もしこのタイプの脱進機が技術的に優れているのであれば、なぜすべての時計に使われていないのか? その答えはシンプルで、完璧なものは存在しないということ。時計づくりにおいても、それは例外ではなく、ダイレクトインパルス エスケープメントも決して万能ではない。この脱進機が腕時計に採用されにくい最大の理由は、耐衝撃性の低さにある。レバー脱進機におけるレバー=パレットフォークのような構造に依存しないため、ガンギ車がアンロック(脱調)しやすいという欠点があるのだ。アンロックとは、外部からの衝撃などでガンギ車が本来のタイミングからズレてしまう状態のこと。レバー脱進機の場合、ガンギ車は常にパレットフォークと噛み合っており、完全に自由になる瞬間がない。一方、ダイレクトインパルス エスケープメントでは、サイクル中のごくわずかなあいだだけガンギ車が“フリー”の状態になる。この瞬間に衝撃が加われば…はい、アウト。時計は故障するというわけだ。

オメガ コーアクシャル 脱進機(1999年)

こうしたダイレクトインパルス エスケープメントが技術的課題を克服してきた例も、過去には存在する。ただしその多くは、最初は極めて小規模かつ手作業による製造で実現され、その後に量産体制向けに改良されてきた。この代表的な例が、ジョージ・ダニエルズが発明し、オメガが広めたコーアクシャル エスケープメントである。ダニエルズはこの機構を1974年に特許取得し、その後25年以上にわたって完成度を高め、1999年にオメガが量産化。その際に使われたのが、ETA 2892をベースに改良されたCal.2500だった。ダニエルズ版(現在もロジャー・スミスが使用)はふたつのガンギ車を備える設計だが、オメガは量産化に向けて設計を変更し、ひとつのガンギ車で構成される方式に仕立てた。コーアクシャル エスケープメントは、レバー脱進機とデテント脱進機の長所を融合させた構造ともいえ、ダイレクトインパルス型脱進機の成功例として広く知られている。

ユリス・ナルダン フリーク(2001年) ダイレクトインパルス エスケープメント搭載

ユリス・ナルダンが2001年に発表したフリークは、もっとも現代的なダイレクトインパルス エスケープメントを搭載したモデルとして知られている。同一平面上に並列配置されたふたつのシリコン製ガンギ車を用いた構造は、今回ロレックスが採用したものと非常に近いアーキテクチャを持っている。 このフリークによって、時計業界はロレックスのダイナパルス エスケープメントに通じる方向性へと一歩踏み出すことになったが、ひとつ注目すべき点がある。それは、このダイレクトインパルス型のフリークはこれまでに数千本しか生産されておらず、近年ではユリス・ナルダンもこの特定の脱進機から距離を置きつつあるということだ。

現代におけるもうひとつの脱進機の進化として挙げられるのが、ジラール・ペルゴのコンスタント エスケープメントである。2013年に発表されたこの機構は、中間機構であるシリコン製のブレードによって実現された真のコンスタントフォース機構である。興味深いのは、この発想の原点がロレックスにあったという点だ。1997年、当時ロレックスに在籍していたニコラ・デオンが、フレキシブルなブレードでテンプに一定のエネルギーを供給するアイデアを追求していたのである。このプロジェクトは社内で“Project E.L.F.”というコードネームで呼ばれていた。2002年にデオンはジラール・ペルゴへと移籍し、そこでこのコンセプトがついに実現されることとなった。つまり、ロレックスは1990年代後半の時点で、すでにシリコン素材を用いた先進的な実験を行っていた可能性があるのだ。

ジラール・ペルゴ コンスタント エスケープメント(2013年)

卓越した自社一貫製造体制、そして他に類を見ない研究開発予算を誇るロレックスは、ダイレクトインパルス エスケープメントの課題をまったく異なるアプローチで解決したように見える。しかも、いきなり工業的な量産レベルでそれを成し遂げたのである。

コーアクシャルのように、これまでの多くのダイレクトインパルス エスケープメントの試みがデテント脱進機から着想を得てきたのに対し、ロレックスは自社のシリコン部品製造技術と長年の研究成果を結集し、ナチュラル エスケープメントを進化させるかたちで、まったく新しい脱進機構を生み出した。複雑なパレットフォーク機構に頼るのではなく、ふたつの平面上に配置されたガンギ車が、正確に噛み合いながら効率よくロックするという構造を、数式レベルで完成させたのだ。ロレックスはその精緻な理論と製造力によって、脱進機の設計に新たな地平を切り拓いたのである。

ロレックス ダイナパルス エスケープメント(2025年))

ロレックスは、DRIE(深反応性イオンエッチング)技術を用いてガンギ車をシリコンで製造することで、量産においても常に最適かつ同一形状を実現している。大きめのロック用の歯はレバーと噛み合い、それ以外の標準的な形状の歯は常にふたつのガンギ車同士を噛み合わせておくために使われる。 この噛み合わせによって、ガンギ車同士が互いにロックし合い、衝撃に対する耐性が生まれる。しかも、すべての歯がまったく同じ形状であることから、製造面でも大きな利点がある。 このようにして実現されたロレックスのダイナパルス エスケープメントは、予想をはるかに超える耐久性と工業的スケーラビリティ、そしてコンパクトなサイズを兼ね備えている。 搭載される新キャリバー7135は、まさに機械工学の結晶ともいえる存在だ。新たなダイレクトインパルス エスケープメントを、初めから工業レベルで量産化する。そんな芸当ができるのは、ロレックス以外にない。

ダイナパルス エスケープメントは、1789年にアブラアン-ルイ・ブレゲが発明したナチュラル エスケープメントに着想を得ているものの、技術的にはまったく異なる構造である。 見た目こそナチュラル エスケープメントに似ているが、ロレックスのふたつのガンギ車は機能面で非対称に設計されている。ふたつのうち一方だけが、テンプの半振動ごとに直接インパルス(動力)を与え、もう一方は同期を維持するために追従するだけで、毎振動でテンプと直接かかわることはない。 一方、ナチュラル エスケープメントでは、両方のガンギ車が交互にテンプに直接インパルスを与える。つまりダイナパルス エスケープメントは、ブレゲの原理を踏まえつつ、ロレックスが独自に再構築した新たな脱進機構なのである。

ガンギ車にシリコンを採用した意義は、いくら強調してもしすぎることはない。 ロレックスのクロナジーシステムでは、レバーとガンギ車の両方がニッケル・リン合金製であり、これはオメガがコーアクシャル脱進機においてガンギ車やパレットフォークに使用している素材と同じである。 一方、ダイナパルス エスケープメントでは、ロレックスはガンギ車だけでなく、可動式のロック機構も含めて全面的にシリコンを採用している。 ロレックスが使用するシリコン素材は自己潤滑性、耐磁性、耐熱性、硬度、軽量性、そして耐衝撃性に優れており、まさに脱進機に理想的な特性をすべて備えているのだ。

ロレックス シロキシ・ヘアスプリング(2014年)

この素材はすでに2014年に登場したシロキシ・ヒゲゼンマイで知られており、もちろん今回のランドドゥエラーにも採用されている。シロキシはもともと、ロレックスの小径モデルから導入が始まり、近年では一部のデイトジャストやオイスターパーペチュアル、さらにヨットマスター37やパーペチュアル 1908などにも搭載されるようになってきた。いかにもロレックスらしい慎重な展開だが、2023年に発表された1908への採用は、ロレックスがシリコン素材に対してより積極的になってきた兆候であり、今回のランドドゥエラーにつながる布石だったとも言える。とはいえ、まったく新しい脱進機構が登場するとは、誰も予想していなかった。

2023年にパーペチュアル 1908に初めて搭載されたCal.7140は、本日発表されたランドドゥエラー以前のロレックスにおいて、もっとも高精度なムーブメントのひとつであり、比較対象として非常に有効な存在である。 1908のCal.7140とランドドゥエラーのCal.7135は、見た目の構造や仕上げこそ似ているが、この2年のあいだに技術的な飛躍があったことは明白だ。 Cal.7140は、まずCOSCによって未ケース状態で-4/+6秒/日の基準をクリアし、さらにロレックスの社内基準に基づいて完成品の状態で-2/+2秒/日を達成しており、高精度クロノメーター認定を受けている。ランドドゥエラーも同様に、この認定を受けている。 Cal.7140は、クロナジー エスケープメント、シロキシ・ヒゲゼンマイ、パラフレックス耐震装置という3つの最新技術を初めてすべて組み合わせたムーブメントである。 対するランドドゥエラーのCal.7135は、シロキシ、パラフレックスに加え、ロレックス初の自社開発による脱進機ダイナパルス エスケープメントを搭載している点で大きく異なる。 Cal.7140の振動数は4Hz(2万8800振動/時)だが、ランドドゥエラーはロレックス初となる機械式の高振動キャリバーであり、3万6000振動/時(5Hz)で動作する。 なぜ3万6000振動/時なのか? 理由なんて必要ない。やるべきことだからやった。それがロレックスなのだ。

ロレックス Cal.7140(パーペチュアル 1908/2023年)

ランドドゥエラーには、少なくとも32件の特許出願および特許が関連しており、そのうち18件は本モデル専用、さらにその16件がCal7135に起因するものである。 ダイナパルス エスケープメントの開発には、およそ10年の歳月が費やされてきた。 ロレックスは、この新たな脱進機構を軸としたCal.7100系のムーブメントを今後さらに展開していく意向を示しており、3万6000振動/時ムーブメントによる歩度の安定性が、信頼性や堅牢性の向上にもつながるとしている。

なぜ“オイスタークォーツ”ケースなのか?
ロレックスのカタログにおける一体型ブレスレットを備えたラグジュアリースポーツウォッチというカテゴリの空白を埋めるだけでなく、このケース形状が選ばれた背景には歴史的な文脈も存在する。かつてこのシルエットのケースには、最先端技術を搭載したロレックス最後のムーブメントが収められていた。そして今回もまた、ロレックスは同様に重要な役割を果たしているのである。

クォーツ技術が時計業界に大きな変革をもたらしたとき、スイスのブランド各社は協力してセンター・エレクトロニーク・オルロジェ社(CEH)を設立し、独自の対応策を開発することとなった。ロレックスも当然のように深く関与していた。その取り組みの成果として誕生したのがベータ21であり、このムーブメントを搭載した初のロレックスが、一体型ブレスレットを備えた同様のケース形状を持つモデル、Ref.5100 テキサノであった。

ロレックス テキサノ Ref.5100(1970年)

数十年後、シリコン技術が登場した際にも再びコンソーシアムが結成された。ロレックス、パテック フィリップ、そしてスウォッチ グループが、スイス電子・マイクロテクノロジーセンター(CSEM)と連携し、その可能性を追求したのである。 この協業によって生まれたのが、2014年に発表されたシロキシ・ヒゲゼンマイだ。ただし、ロレックスは1990年代からすでにシリコンの研究を進めていたという噂もある。 そして本日発表されたCal.7135は、クォーツ以来もっとも大きな時計技術の飛躍とさえ言えるかもしれない。そう考えると、テキサノやオイスタークォーツへのオマージュとしてこのケース形状を採用したのは、意図的なものだったと捉えるべきだろう。

さらに言えば、新しいランドドゥエラーは、ロレックスがこれまでに製造したなかで最も高精度な機械式モデルである。ここで重要なのは機械式という但し書きだ。というのも、ロレックス史上もっとも高精度なモデルという点では、いまだにオイスタークォーツがその座を守っているからだ。しかし、もしふたつの事例がパターンを示すものだとすれば、それはこういうことだ。ロレックスが精度と最先端技術を本気で追求するとき、採用するのはいつもこのケース形状なのである。

この革新的な時計は一体いくらで手に入るのだろうか?
ランドドゥエラー Ref.127334(スティールモデル)の小売価格は225万5000円だ。

参考までに、ランドドゥエラーの価格はスティール製のスカイドゥエラー(Ref.336934/244万2000円)よりわずかに下、GMTマスター(Ref.126710/166万4300円)よりは上に位置づけられており、多くのプロフェッショナルモデルよりも高価である。ランドドゥエラーは、ある意味でデイトジャスト41(124万4100円)に対するもうひとつの選択肢とも言える存在だが、新しい脱進機構、新設計のケース、フラットジュビリーブレスレットといった要素が加わることで、かなりのプレミアムが上乗せされている。これはロレックスにとって多くの“初”を刻むモデルであり、現代の時計製造に変革をもたらす可能性を持つ1本だ。その意味でも、ブランド随一の複雑機構モデルであるスカイドゥエラーに近い価格設定は決して不思議ではない。

意外性、しかしまさにロレックスらしい
ロレックスはほかのどのブランドにも劣らず秘密主義で知られているが、その歩みは常に“精度”“防水性”“自動巻き”という3つの中核原則に基づいている。なかでも最も重視されているのが精度だ。精度は、ロレックスにとって常に最優先される価値であり、事実1910年にはロレックスが世界で初めてクロノメーター認定を受けた腕時計を生み出している。今回のランドドゥエラーは、まさにその100年以上にわたる“卓越性の追求”の象徴といえる存在だ。そして搭載されたダイナパルス エスケープメントは、まさにゲームチェンジャーになり得る革新である。オメガはコーアクシャル脱進機を“250年ぶりに実用化された新たな機械式脱進機”と称しているが、ダイナパルスも同様の表現に値するだろう。シリコンパーツの積極的な活用と、明確に工業的量産を視野に入れた設計思想によって、ロレックスは新たな時計製造の時代を切り拓いたのかもしれない。

脱進機や時計技術の話題から少し視点を引いてみれば、今回のランドドゥエラーは、ロレックスのカタログにおいて非常に強力な選択肢となる1本であることがわかる。オイスタークォーツ風のケースに、新開発の一体型フラットリンクブレスレットを組み合わせたこのモデルは、ロレックスが掲げる第二の原則“防水性”をしっかりと満たしつつ、独自のビジュアルを持つデザインにも仕上がっている。見た目の面でも、ランドドゥエラーはデイトジャストのもうひとつの選択肢として機能しており、少し異なるケース形状を求めるユーザーに向けた提案となっている。また、デイトジャストよりも大幅に薄型であるため、ロレックスとしては異色の装着感を提供することになる。さらに言えば、この薄さ自体が時計技術における一種の“誇示”でもある。つまり、ロレックスはこう言っているのだ。「そう、我々はまったく新しい高精度脱進機を、自社初の高振動キャリバーで実現した。しかも、それを薄型でやってのけたんだ」

昨夜アクリヴィアの工房を訪れた際、噂されていたランドドゥエラーの話題が出るまでにかかった時間は、わずか10分だった。レジェップ・レジェピはこの新作について「非常に重要な時計だ」と語り、「ぜひ自分でも所有したい」とまで言った。

基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: ランドドゥエラー(Land-Dweller)
型番: 127234(36mm オイスタースチール&ホワイトゴールド)、127334(40mm オイスタースチール&ホワイトゴールド)、127235(36mm エバーローズゴールド)、127285TBR(36mm エバーローズゴールド、バゲットダイヤモンド セットベゼル)、127335(40mm エバーローズゴールド)、127385TBR(40mm エバーローズゴールド、バゲットダイヤモンド セットベゼル)、127236(36mm プラチナ)、127286TBR(36mm プラチナ、バゲットダイヤモンド セットベゼル)、127336(40mm プラチナ)、127386TBR(40mm プラチナ、バゲットダイヤモンド セットベゼル)

温かみのあるトーンをまとったローズゴールドの超薄型モデルにより、

この時計は、ルイ・ヴィトンのラ・ファブリク・デュ・タンの技術を背景に、静かで自信に満ちた形で登場した。スースクリプション形式で販売され、限定20本のみの生産という希少性を持ちながら、過去へのオマージュと同時に高い技術力を示したモデルであった。この特別な時計の発表は2023年3月だったが、その後2024年8月にはトゥールビヨンのローズゴールドバージョンが登場した。こちらはレギュラーモデルとして、製造数量に制限があるものの、スースクリプションではなく通常販売となった。同じ流れで、超薄型のエクストラ プラットも展開。イエローゴールドのモデルはスースクリプション形式で2025年1月に発売され、約3ヵ月後にローズゴールドバージョンが発表された。

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold
ロレックススーパーコピー時計 激安ロートブランドの復活による第2のモデル、そのふたつ目のバリエーションとしてエクストラ プラットのローズゴールドモデルが正式に発表された。本作は5Nローズゴールドで仕上げられ、デザインはほぼそのままにスースクリプション方式ではなく特定の小売店を通じて販売される“通常”モデルとして展開される。

時計のシルエットは変わらず、縦38.6mm×横35.5mmのダブルエリプスケースに、厚さはわずか7.7mmという超薄型設計が特徴だ。今回のローズゴールドモデルは5N合金の温かみが加わり、すでに優雅なラインを一層やわらげている。また新たな生産戦略により、ブランドの存在感をさらに広げる狙いがうかがえる。さらに、今回のモデルからはシースルーバックが採用された。これまでのスースクリプションモデルはクローズドバックだったが、2025年の今ではムーブメントの美しい仕上げを鑑賞できるようになっている。これまでのスースクリプションモデルは時計愛好家にとって特別な存在だったが、新しいデザインでは実際にムーブメントを目で確認できる喜びも加わったのだ。

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold movement
時計を裏返すと、昨年発表されたCal.DR002が姿を現す。これは手巻きムーブメントで、ルイ・ヴィトンのラ・ファブリク・デュ・タンにおいて、マスターウォッチメーカーであるミシェル・ナバス(Michel Navas)氏とエンリコ・バルバシーニ(Enrico Barbasini)氏の指揮のもと設計・仕上げが行われたものだ。エクストラ プラットおよびこのダブルエリプスケース専用に製造されたCal.DR002は、まさにダニエル・ロートに期待されるすべてを体現している。仕上げに関しては、写真だけでも手作業による丸みを帯びたポリッシュ仕上げのアングラージュ(面取り)や鋭い角の仕上げが確認できる。これらは手作業でなければ実現できない精緻なディテールだ。また、今回のモデルでは巻き上げ時のクリック感にも特別なこだわりが見られる。実際に手に取って体感したが、このこだわりは確かに価値があるものだった。エクストラ プラットの巻き上げは非常に心地よい体験である。

新しいエクストラ プラット ローズゴールドのダイヤルも際立っている。先代のエクストラ プラット スースクリプションと比べてもその違いは明らかだ。今回は控えめなツートン仕上げで、ダイヤルはふたつのパーツで構成されている。手作業で施されたギヨシェ模様が特徴で、ベースには無垢のホワイトゴールド製ディスクが使われている。ていねいにハンドデコレーションされた直線的なギヨシェ、ギヨシェ・アン・リーニュが施されており、質感が与えられるとともに、往年のロート氏のデザインを思い起こさせる。ダイヤルの外周には5Nローズゴールドの見返しリングが配置され、ブラックのローマ数字を美しく囲んでいる。針はブラックコーティングされたステンレススティール製で、ルミノバは使用せずとも鮮やかなコントラストを生み出している。全体として層の重なりが美しく、見事な仕上げだ。

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold
ダニエル・ロート エクストラ プラット ローズゴールドはブランドの“通常”カタログに位置付けられており、製造数に明確な制限は設けられていない。価格は4万9000スイスフラン(日本円で約860万円)である。

我々の考え
ダニエル・ロートの復活が発表された2023年9月、正直なところ懐疑的に思った人も多かっただろう。実を言うと、私もそのひとりだった。ヴィンテージ、あるいはネオヴィンテージとしてのダニエル・ロートの魅力を知る者として、LVMHによる復活が2020年代半ばにどのような形で展開されるのか、疑問を抱いていたのだ。しかしその先入観はいまや大きな期待へと変わっている。ラ・ファブリク・デュ・タンから送り出される製品を目にするたびに、その完成度には感心せざるを得ない。

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold on the wrist
The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold
The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold
全体的にディテールの完成度が素晴らしい。確かに、今回の記事の主なポイントはケース素材の変更や、随所に見られる微細な調整だ。そして、ローズとグレーのトーンが生み出す美しさも間違いない。しかしエクストラ プラット ローズゴールドは単なる素材変更にとどまらず、ダニエル・ロートというブランドの伝統の継承であり、より充実したカタログを構築するための一歩でもある。

これは決して偶然ではない。ダニエル・ロートが最初に創業された1989年から1990年代初頭にかけても、同じような歩みがあった。1989年にトゥールビヨン、1990年にエクストラ プラット、そして1991年にはパーペチュアルカレンダーが発表された。これは、今世紀の多くの独立系時計師たちの歩み方とも共通している。慎重に、そして細部にこだわりながら、ゆっくりとコレクションを拡充していく手法だ。このレベルの時計を作るには、最初の年にいきなりフルラインナップを展開するのではなく、ひとつひとつていねいに積み上げていく必要がある。それが理にかなっているのだ。

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold movement
では、そのディテールとは何か。実物を手に取って見るのが一番だが、写真からでも新生ロートのこだわりは伝わってくる。例えば、わずかに再解釈されたケースデザイン。ミッドケースが再設計され、上部と下部のバランスが均等になるよう配置されている。ヴィンテージのエクストラ プラットでは、トップの部分がやや裏蓋よりも厚くなっていたが、今回のデザインではバランスが調整されている。ギヨシェパターンの変更も見事だ。ロートはスースクリプション版でクル・ド・パリを採用していたが、1990年代のエクストラ プラットの大半は今回のローズゴールド版と同じギヨシェ・アン・リーニュのような直線的なパターンが施されていた。このようなデザインの選択や参照は失敗しやすい部分だが、新生ロートは間違えることなく、それを見事に再現している。

基本情報
ブランド: ダニエル・ロート(Daniel Roth)
モデル名: エクストラ プラット ローズゴールド
型番: DBBD01A1

ケースサイズ: 縦38.6mm×横35.5mm
厚さ: 7.7mm
ケース素材: 5N ローズゴールド
文字盤色: ホワイトゴールドのベースに直線的なギヨシェ装飾、5N RGの見返しリング
インデックス: ブラックのローマ数字
夜光: なし
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: カーフスキンレザーストラップ、ラグ幅20mm

The Daniel Roth Extra Plat Rose Gold
ムーブメント情報
キャリバー: DR002
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 65時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: なし
追加情報: 手巻きムーブメント。ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンにて開発・組立した手巻き式ムーブメント。ミシェル・ナバス氏とエンリコ・バルバシーニ氏が監修。