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ロンジン スピリット フライバック クロノグラフにチタンモデルが登場。

ロンジンは今年初めに発表したスピリットコレクションに、チタンモデルを投入した。

今年の初めに、ロンジン スピリット フライバック コレクションのリリースを取り上げた。そして今回、ロンジンはグレード5チタンケースを備えた、チタンブレスレットもしくはNATOスタイルストラップのどちらかを選択できるスピリット フライバックを発表した。ロンジンはすでにチタン製の時刻表示のみのスピリットを発表していたので(これは私たちのお気に入りだ!)、このコレクションの発展は予想できた。

longines spirit flyback chronograph
既存のスティールモデルと同様、チタン製スピリット フライバックのサイズは42mm径×17mm厚(ラグからラグまでは49mm)だ。その厚みの一部はドーム型サファイアによるものだが、その分厚さは避けてはとおれない。文字盤はサンレイ仕上げのアンスラサイトで、ブラックセラミックのベゼルインサートがそれを引き立てる。アプライドのアラビア数字と針にはスーパールミノバを塗布し、アクセントに金メッキを採用する。SSモデルのHands-On記事を見てわかるように、スピリット フライバックは文字盤とベゼルに強力な蛍光塗料が施されている。

グレード5チタンケースは100mの防水性を確保する。時計製造に関して言うと、チタンにはグレード2とグレード5の2種類がある。ロンジンではアルミニウムとバナジウムを含む合金である(アルミニウムが6%、バナジウムが4%含まれているためTi 6Al-4Vとも呼ばれる)、やや高品質なグレード5チタンが選ばれている。グレード5はより硬く、通常はハイエンドモデルの製造で目にする。一方手ごろな価格のオプションではグレード2が使われることがある。一例として挙げると、ロレックスのヨットマスターではグレード5が、チューダーのペラゴス39ではグレード2が使われている。

チタン製のロンジン スピリット フライバックは現在発売中で、価格はブレスレットが80万9600円、ストラップが76万100円(ともに税込)である。

我々の考え
longines spirit flyback chronograph titanium
ジェームズ(・ステイシー)は、39mmのスピリット Zulu Timeを実際に使ってみた感想として、“このファイブスターが過去のロンジンにおける品質の高さを示しているものであることはわかっているが、この時計がUberの評価を受けているのと同じように見えることも理解できる”と述べている。これがスピリット フライバックに対する私の気持ちを表している。ロンジンの伝統にしっかりと足を踏み入れ、もう片方は現代にしっかりと残す。そのおかげできちんとしたものがリリースされたが、いくつかの妥協点がある。

ロンジンは1925年にはフライバック機能搭載の最初のモデルを製造していた。これはひとつのプッシャーを押すだけでクロノグラフの停止、スタート、リセットができたため、この時代のパイロットにとっては実用的なコンプリケーションだった。これは13ZNの生産にもつながる(同キャリバーに関する深掘り記事はこちらから)。それは史上最も伝説的なキャリバーのひとつであり、これまでに作られた最も美しいクロノグラフのいくつかに使用されている。

longines titanium spirit flyback chronograph
しかし、今年発表されたロンジン スピリット フライバックにおいて、ロンジン(自身として)はこうしたストーリーを十分に語ることも、歴史的なつながりを作ることも(まだ)していないように私は思う。この時計は商業的な提案であり、大振りで、おそらくこのサイズの時計を好む人々をターゲットにしているのだ。

しかしフライバック クロノグラフはちょっとマニア向けなものであり、必ずしも商業的な提案ではない。これは一般的な機能ではなく、歴史的にも時計学的にも魅力的な機構であることを理解している愛好家にとってはたまらないものだ。私は愛好家として、ロンジンが製品とメッセージの両方で、この伝統と歴史的な結びつきに傾倒する様を見たかったのだ。ロンジンはすでに市場に出回っている時計のなかで最も優れたヘリテージモデルを製造した、歴史的に最も重要なクロノグラフメーカーであろう。

longines spirit flyback chronograph
このリリースはモダンとヘリテージの境界線を歩んでいる。ブランドがフライバック クロノグラフをパイロットラインに持ち込んだのは素晴らしいことだ。スピリット Zulu Time(42mmで投入したが現在は39mmでも提供されている)同様、ロンジンがフライバック機能をさまざまなケースサイズで展開させるのもそう遠くないことだろう。

基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: スピリット フライバック チタニウム(Spirit Flyback Titanium)
型番: L3.821.1.53.6(ブレスレット)、L3.821.1.53.2(NATOストラップ)

直径: 42mm
厚さ: 17mm
ケース素材: グレード5チタン
文字盤: サンレイ仕上げのアンスラサイト
インデックス: アプライドアラビア数字
夜光: あり、インデックスと針にスーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: インターチェンジャブル付きグレード5チタンブレスレットにダブルセーフティ フォールディングクラスプ(ブレスレット)、NATOスタイルのブラック&グレーストラップ(NATOストラップ)

longines spirit flyback titanium caseback
ムーブメント情報
キャリバー: L791.4(ETAベース)
機能: 時・分・スモールセコンド、フライバッククロノグラフ(30分積算計)
直径: 30mm
パワーリザーブ: 約68時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 28
クロノメーター: あり
追加情報: コラムホイール式クロノグラフ

価格 & 発売時期
価格: ブレスレットが80万9600円、ストラップが76万100円(ともに税込)

時計のサイズに大きく関わる問題について触れよう。

時計のサイズについてのこだわりがあふれている。この問題は、常に物議を醸す日付窓と同じくらい論争が起こりやすいテーマであり、またあえて言うならば、おそらくピンバックルとフォールディングバックルの優劣よりもさらに議論を巻き起こしやすい。

時計のサイズに大きく関わる問題について触れよう。私の知る限り、この問題は“スクエアウォッチはラウンドと比べてどれほど違うの?”ということでは明白にならなかった。我々が扱う腕時計のうち圧倒的多数を占めるラウンドウォッチにおいて、40mmが装着性に対する一種の大衆的な境界線であるならば、スクエアウォッチに適用されるその境界線は、一体どこで引かれるべきなのだろうか? そしてもうひとつ、熱い議論が交わされる時計の厚さについては、別の日のために残すことにしよう。

タグ・ホイヤーのモナコは、39mm径のスクエアウォッチだ。

サイズの数値だけでは騙されやすい。スクエアウォッチの代表格である、39mmのタグ・ホイヤー モナコを着用したことがある人は、その39mmというサイズから想像されるよりもずっと大きなサイズであるのを知っているはずだ(手首の面積を15.21平方cmも占めているから)。39mmのラウンドウォッチと比較すると、こちらの表面積は11.94平方cmなので、正方形の時計がいかにデカいかがわかる。例えばチェリーニ ムーンフェイズのような39mmのラウンドウォッチと同じように、控えめな装着感を提供してくれるスクエアウォッチを見つけるには、34mmから35mmのあいだのサイズが望ましい。

ロレックス チェリーニ ムーンフェイズは直径39mmである。

チェリーニ ムーンフェイズのような39mmのラウンドウォッチは、モナコのような39mmのスクエアウォッチの79%の大きさだ。両者の最も狭い部分(39mm)を横から測ると同じサイズだが、チェリーニはモナコの対角線(55mm強)に対してわずか71%の幅しかない。

この記事を書くにあたり、私はすぐにノモスのテトラシリーズを思いだし、ブランドが提供するいくつかのサイズを調べ始めた。思ったとおりノモスのテトラは、装着しやすい優れたスクエアウォッチをいくつかリリースしていた。ノモスのサイトを見ていたら、最近追加されたテトラ ネオマティック 39が目に飛び込んできたので、そのスペックを細かく調べてみた。正直、このブランドが39mmのスクエアウォッチを作るとは思ってもみなかった。彼らにとってはとても大きなサイズのように思えたのだ。調べてみると、この時計は実際には39mmもなかった。長辺はそれぞれ33mmで、対角線は46mmであることがわかった。テトラ ネオマティック 39という名前は、実際の長さのサイズではなく、この腕時計がどのように着用されるかに基づいているようだ。ノモスUSAの副社長であるメルリン・シュヴェルトナー(Merlin Schwertner)氏にこれが本当かどうか尋ねたところ、彼はそれが本当であると認めた。

ノモス テトラ ネオマティック 39 シルバーカット。

モナコの話に戻ろう。39mmのケースの感触が気に入って、同じような体験ができるラウンドウォッチ、つまり手首の面積を同じように占めるラウンドウォッチが欲しいと思ったとしよう。表面積が15.21平方cm台のラウンドウォッチを見つけるには、少し計算する必要がある。もちろん、円を2乗することはできないので、あくまでも近似値でしかないことを忘れてはならない。

表面積15.21平方cmのモナコ 39mmのように、スクエアウォッチに相当する円形面積を求めるには、表面積をπで割ってその平方根をとればいい。これにより半径2.2cm、直径4.4cm、対角線44mmというラウンドウォッチの数値が得られる。

スティーブン(・プルビレント)が今年初めのSIHHで書いた、カリ・ヴティライネンが最近リリースした44mm径のステンレススティール製ヴァントゥイット(Vingt-8)をご覧あれ。

44mm径のヴァントゥイット(左)と、39mm径のヴァントゥイット(右)。

好都合なことに、39mmのヴァントゥイットの真横で撮影されているので、44mmのラウンドウォッチが、まったく同一条件(apples-to-apples)の39mm径ラウンドウォッチと比べてどれだけ大きいかが実感できるだろう。

リンゴといえば、Apple Watchはどうだろう。これはラウンドでもスクエアでもなく、レクタンギュラーだ。セラミック製のApple Watch Series 3 (写真はベンの手首)のサイズは42.6mm×36.5mmで、表面積は15.55平方cmだ。42mmと銘打ったラウンドウォッチよりはかなり大きいが、42mmのスクエアウォッチよりかは小ぶりだ。

Apple Watch Series 3は42.6mm×36.5mmのサイズで、手首を占めるスペースは15.55平方cmだ。

したがって、腕時計のサイズの普遍的な測定値は、それが手首にどのように装着されるかを最もよく知ることができるものであり、直径や長辺の長さではなく、面積であるべきだと思われる。

3年の開発期間を経て、リシャール・ミルは新しいRM 35-03を発表した。

RM 35-03は、特別な巻き上げ機構を備えた超スポーティな自動巻きモデルで、着用者の現在の活動レベルに応じて巻き上げ量を調整できるようになっている。すべての機能は、クルマをテーマにした“スポーツモード”ボタンと連動。必要に応じてローターを停止し、ムーブメントの巻きすぎを防止することができるのだ。

RM 350-03 Nadal
 ボタンやモードについては後ほど説明するが、RM 35-03はカーボンTPT(ケースとケースストラップは黒。多くの画像に写っているだろう)、ブルーとホワイトのクォーツTPT、そしてカーボンTPTにホワイトのクォーツTPTを加えたバージョンの全3種類で展開する。サイズは3モデルとも同じで、直径43.15mm、厚さ13.15mm、ラグからラグまでが49.95mmだ。防水性は50mで、価格は時計よりもはるかに重い。

 ブランドが“ベイビー・ナダル”と呼んでいる同モデル最大の特徴は、ケース側面の7時位置にある、前述したスポーツモードボタンだ。これに搭載された特別な“バタフライローター”システムは、本当は複雑な説明があるが、そのコンセプトは同ボタンを押すことによって巻き上げローターの重力を利用する能力を緩和できるというものである。この半分ずつにわかれたふたつあるローターを、中央のヒンジで固定されるように設計。このスポーツモードを使用するとその2パーツが扇状に広がり、エレメントが180°にわたって均等に分散されるため、ローターが回転する機能がなくなるというのだ。おわかりいただけただろうか。下のアニメーションでメカニズムを確認して欲しい。ほらね? 理解するのはそれほど難しくない(少なくとも機能レベルでは)。

rm 35-03 in action
 ここでのアイデアは、スポーツモードを有効にしてプロテニスのようなスポーティなことをしようとするとき、ムーブメントの追加巻上げを一時停止できるということだ。ダイヤルを見ると自動巻きが有効かどうか、オン/オフの表示があり、このシステムはほかのRMモデルで見られるファンクションセレクターと同じもので、ユーザーが3つのモード(時間設定の“H”、ニュートラルの“N”、ワインディングの“W”)を切り替えられるようになっている。

rm 35-03 nadal
 この機能は時・分・秒を表示するフルスケルトナイズの自動巻きムーブメント、Cal.RMAL2によって支えられている(前述した機能も搭載)。ムーブメントのブリッジと地板はグレード5チタン製で、2万8800振動/時で時を刻み、パワーリザーブは約55時間を提供。このパワーリザーブを支えているのがツインバレルシステムであり、どちらの香箱からでもトルクを計測できるためより正確な計時が可能となっている。

RM 350-03 Nadal
rm 35-03
rm 35-03
 すでに記載したとおり、ラファエル・ナダルとのつながりを持つ複雑なリシャール・ミル RM 35-03は、23万8000ドル(日本円で約3400万円)で販売される。

我々の考え
リシャール・ミルの腕時計は、常にさまざなシェイプとサイズで提供されているが、RM 35-03はブランドの中核をなす製品のように感じる。デザインの力強さ、ワイルドなケース素材、ギミックのようなスポーツモードへのこだわり、これらすべてがリシャール・ミルの伝統なのだ。

 “ベイビー・ナダル”シリーズ第4弾となるRM 35-03は、バタフライローターシステムを搭載し、遊び心あふれる機能を追加した。このようなシステムの必要性を主張することはできるだろうが、僕はこのような時計にはそぐわないかもしれないと思っている。ただ文字どおりの意味でも感情的な意味でも、エンゲージメントのために時計の自動巻きを止める機能というアイデアはちょっと気に入っている。最近の高性能車では、プログラム可能なモード(スポーツモードのような)が主要な機能としてセットされているので、25万ドルするリシャール・ミルを買おうとしている人たちのライフスタイルや経験ともつながりがある。彼らのクルマには、それを体験できるさまざまな要素をコントロールできるボタンがたくさんあるのだ。では時計になるとそれはないのか?

RM 350-03 Nadal
 しかし、リシャール・ミルの時計は文字どおり“モノ”として扱う必要はない。スーパーカーのように、これらの腕時計は実用性や機能性で評価されているわけではない。むしろ、これらは感情、コレクター性、生の魅力としての対象であり、スポーツモードがこれほど適切だと感じる時計はない。もし可能なら、コメントで教えて欲しい。

基本情報
ブランド: リシャール・ミル(Richard Mille)
モデル名: RM 35-03 オートマティック ラファエル・ナダル(RM 35-05 Automatic Rafael Nadal)
型番: RM 35-03

直径: 43.15mm
厚さ: 13.15mm
ラグからラグまで: 49.95mm
ケース素材: カーボンTPTまたはクォーツTPT
防水性能: 50m

RM 350-03 Nadal
ムーブメント情報
キャリバー: RMAL2
機能: 時・分・センターセコンド、スポーツモード、ファンクションセレクター
直径: 31.25mm×29.45mm
厚さ: 5.92mm
パワーリザーブ: 約55時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38
追加情報: 特許取得済みのバタフライローター

価格 & 発売時期
価格: 23万8000ドル(日本円で約3400万円)

ショパールはドバイウォッチウィークにてアルパイン イーグルの珠玉のラインナップを発表した。

ドバイに行ったことはないが、史上初の7つ星ホテルを生み出した国にふさわしい宝石のようだ。少なくとも私のなかのドバイは、金無垢に宝石を施した時計、ロビーに噴水がある巨大で豪華なホテル、ロールス・ロイス ファントムなどがイメージされる。

新しいアルパイン イーグル サミットの時計は直径41mm、エシカルな18Kイエロー、ホワイト、ローズゴールドで用意(豊富なオプションに感謝)。

本新作の焦点はふたつ。ひとつ目はベゼルにサファイア、ツァボライト、スペサルタイトを含む、カラフルなバゲットカットの宝石がセッティングされたこと。もうひとつは、スイス・ヴァレー州にあるジナル氷河にちなんで名付けられた、“ジナルブルー”ダイヤルがデビューしたことだ。

ショパール アルパイン イーグル サミット
ジナルブルーは写真だと虹色に見え、バイオレットとブルー両方の色合いを反映している。光沢があり、まさにクジャクのようだ。そのツートーンの色合いは、ベゼルにセットされたジェムストーンのグラデーションでも表現される。文字盤はアルパイン イーグルのすべてのモデルと同様、深いテクスチャーを維持。このコレクションはほかに、PVD加工を施した“ゴールデンピーク”、“ヴァルスグレー”、“ドーンピンク”といったダイヤルカラーもラインナップした。

各モデルにはCal.01.15-Cを搭載。透明なサファイアクリスタル製シースルーバックをとおして見える、自動巻きのショパール自社製ムーブメントは、COSC認定も取得している。また完全に巻き上げると、最大約60時間のパワーリザーブを発揮。さらにすべてのモデルにストップセコンド機能も搭載している。

(宝石の)価格は想定の範囲内であり、WGとYGモデルは1250万7000円、RGは1136万3000円(すべて税込)の価格がつけられた。

我々の考え
ショパール アルパイン イーグル サミット
別の日も、そして今日もまたレインボーが出た。まあ、これは厳密にはレインボーではないが。ポイントは、ショパールはカラーや宝石を少し刺激的な方法で取り入れているところだ。たとえ宝石に興味がなくとも、ジュエリーのノウハウが時計製造のカテゴリーに取り入れられていることは間違いない。社内でのクロスオーバーを見るのはいつも楽しい。私は、これらの特定のモデルに日付機能がないことに気づいた。これは同モデルがもう少し華やかであるべきだという考えを補強するものである。ただ私はダイヤモンドをセットしたコンプリケーションを楽しんでいるので、それはもったいないと思う!

確かに華やかな色合いはいい。ジナルブルーは通常、私が嘲笑するタイプのマーケティング戦略的なネーミングであるが、私はショパールブランドとアルプスとの結びつきに心から共感している。ショイフレ一家と話したことはあるだろうか? 彼らはアルプスを愛しているのだ。

しかしここで、なぜ41mmなのかという疑問が残る。これは昨年登場したYG製のアルパイン イーグル(ニューヨークで先行販売)の既視感を感じた。宝石がセットされた大ぶりな時計は汎用性があるのでありがたいが、ただもう少しサイズの幅が欲しい。36mmとかどうだろう。答えを追求し続けるしかない!

基本情報
ブランド: ショパール(Chopard)
モデル名: アルパイン イーグル サミット(Alpine Eagle Summit)
型番: Ref.295363-0002(ゴールデンピーク)、Ref.295363-1007(ジナルブルー)、Ref.295363-1008(ヴァルスグレー)、Ref.295363-5013(ドーンピンク)

直径: 41mm
厚さ: 9.7mm
ケース素材: 18Kエシカルイエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド
文字盤: イーグルの虹彩に着想を得た型打ちサンバーストモチーフのゴールデンピーク、ジナルブルー、ヴァルスグレー、ドーンピンクのブラス製(すべてPVD加工)
インデックス: アプライドとバゲットカットダイヤモンド
夜光: あり、スーパールミノバ® グレードX1
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: テーパー形状の18Kエシカルゴールドブレスレット、トリプルフォールディングバックル

ショパール アルパイン イーグル サミットに搭載されたCal.01.15-C
ムーブメント情報
キャリバー: Chopard 01.15-C
機能: 時・分・センターセコンド(ストップセコンド機能)
直径: 28.8mm
厚さ: 4.95mm
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 31
クロノメーター: あり

価格 & 発売時期
価格: WGとYGモデルは1250万7000円、RGは1136万3000円(すべて税込)
限定: ショパールブティック限定

時計を手にするとき私が一番に考えるのは、今が何時かということではなく、

アラン・“ハマー”・ブロア(Alan “Hammer” Bloore)氏が時計を集め始めたのはまだ子供の時分からであり、最初の時計は貯金して買ったセイコーのダイバーズだったという。彼は生来のスポーツマンであったが、2000年代初頭にボート事故で腰から下が麻痺した。当時、彼はすでにヴィンテージのミリタリーウォッチやダイバーズウォッチのコレクターであり、“パネリスティ”のような初期のコレクターコミュニティの一員でもあった。そしてこの事故は、彼の時計への興味をさらに強固なものにした。

「これらの時計を手にするとき私が一番に考えるのは、今が何時かということではなく、その時計が語る物語についてです」と、ハマー氏は言う。「時計への愛がなかったら、私はどこに情熱を見出すことができたでしょうか。時計は私という人間を作り、世界中を巡り、私の人生を変えるような友情をもたらしてくれたのです」

アラン・“ハマー”・ブロア氏

そして今、ハマー氏が時計を売却する時が来た。現地時間の12月7日(木)にニューヨークのサザビーズで行われるセールを皮切りに、“ハマー コレクション”の時計約60点がオークションのハンマーにかけられる。

ハマーのコレクションの大部分はパネライとヴィンテージロレックスだが、サザビーズのライブ中継やオンラインカタログでは、パテックやインディーズブランド、その他のブランドも目にすることができる。

ハマー コレクションより、オーストラリア海軍に納入されたRef.5510。

特に注目すべきは、オーストラリア海軍のために作られたハマー氏所有のビッグクラウン Ref.5510だ。彼はオーストラリア人であり、このビッグクラウンは、軍用時計としての実績を持つ素晴らしく真っ当なモデルである。さらに時計だけではなく、オーストラリア海軍の制服やフィールドノート、シガレットケースやノーズクリップまでついてくる。箱や書類のことは忘れよう。このセットは、“フルセット”という言葉にこれまでとは違った意味を与えてくれるものだ。

パネライ Ref.PAM21

ハマーの膨大なパネライ コレクションのなかで、とりわけ注目すべきはRef.PAM21だろう。これは1997年に発表されたプラチナ製の限定モデルで、パネライによれば、第2次世界大戦でイタリアのフロッグマン(潜水士)が着用した伝説的なロレックス Ref.3646にインスパイアされたヴィンテージムーブメントを使用しているという。パネライがヴァンドーム(現リシュモン)に買収された直後に発表した最初のモデルで、60本すべてが数週間で完売した。

また、パネリスティの10周年を記念して限定発売されたパネライ Ref.PAM360もあり、これはハマーがデザインに携わった時計でもある。彼が持っている個体のシリアルは1/300で、裏蓋には“Hammer”と刻印されている。

時計自体のストーリーにとどまらず、ハマーに関するストーリーもまた、彼のコレクションの醍醐味なのである。ブロアは過去20年間、収集家のコミュニティに欠かせない存在だった。最近、彼は同じオーストラリア仲間であるフェリックス・ショルツ(Felix Scholz)氏とアンディ・グリーン(Andy Green)氏らとともにOT: The Podcastに出演し、彼のコレクターとしての軌跡を語った。 彼が2000年代初頭に事故に遭ったとき、世界中から100人以上のコレクターが彼を訪ねてきた。彼が言うには、これが最初の本格的な時計愛好家の集まりだったそうだ。彼の手首に“Paneristi.com”のタトゥーが彫られているほど、このコミュニティは彼にとって大きな意味を持つ。ハマーの話やヴィンテージウォッチに興味があるならば、全エピソードを聞く価値があるだろう。

ハマーは事故に遭ったのちも、常に前向きに生き続けてきた。それは、彼が20年以上にわたって関わってきたコレクターたちのコミュニティによるところが大きい。ハマーのストーリーは、時計収集の素晴らしさを思い出させてくれるものである。

ニューヨークで行われるオークションの模様は、今週末にお伝えする。