2026年、オメガはシーマスター ファミリーから3本の新作を発表した。
プラネットオーシャン、アクアテラ、そしてウルトラディープ——
いずれも「潜水表」と銘打たれているが、果たしてどれも実際に水中で使えるのか。
マスタークロノメーター認定を受けたムーブメントや600m以上の防水性能を備えるこれらのモデルを、
陸上と水中での実用性を中心に検証した。
シーマスター プラネットオーシャン 600M は、日常使いにも馴染むのか?
ブラックセラミックベゼルにブルーのLiquidmetal™インデックスが特徴のこのモデルは、
見た目以上に実用性が高い。ケース径は45.5mmと大ぶりだが、チタン製のため重量は約130gと軽量。
一日中着けていても手首に負担がかからないのは、ダイバーだけでなくビジネスユーザーにも嬉しい点だ。
ムーブメントはCal. 8900で、マスタークロノメーター認定を取得。
15,000ガウスの耐磁性能があるため、スマートフォンやノートPCの近くでも精度が乱れない。
600m防水はもちろん、ヘリウムエスケープバルブも搭載。
実際には深海潜水はしないとしても、その信頼性が日常の安心感につながる。
中国公定価格は¥78,800(約175万7,000円)。
このクラスでチタン+セラミック+マスタークロノメーターを備えるモデルは、他ブランドではまず見られない。
シーマスター アクアテラ 150M は、本当に“海の香り”を感じられるのか?
「海へのオマージュ」とされるアクアテラは、波紋模様のダイヤルが象徴的だ。
2026年モデルはグリーンダイヤルにブラウンレザーストラップを組み合わせ、
これまでにない温かみのある印象になっている。
ケース径は41mmで、男女問わず着けやすいサイズ。
防水は150mと他の2本より控えめだが、日常生活や週末のマリンスポーツには十分だ。
Cal. 8900ムーブメントを搭載し、マスタークロノメーター認定による高精度と5年保証も魅力。
スーツにもカジュアルにも合う汎用性の高さを考えれば、
これは「海に行かない日でも着けたくなる」一本だと言える。
シーマスター ウルトラディープ 6000M は、本当に6000mまで潜れるのか?
このモデルは、2019年にチャレンジャー・ディープ(マリアナ海溝最深部)に到達した実験機「リミットリング」に搭載された時計を市販化したものだ。
チタン製モノブロックケースは圧力に強く、サファイア風防も極厚仕様。
実際のテストでは10,925mの水圧に耐えたという。
ただし、日常使いには注意が必要だ。
ケース径は55mm、厚さは28mmと非常に大ぶりで、
普通のシャツの袖からはみ出すどころか、ドアノブに引っかかるほど存在感がある。
また、ストラップは専用のラバーコア+ナイロン編みで、装着感はスポーティだが、
スーツとの相性はほぼゼロと考えてよい。
中国公定価格は¥128,000(約285万4,000円)。
これは「記念碑的な技術の結晶」であり、「毎日着ける工具表」ではない。
所有する意味が、使う意味を上回る一本だ。
結局、どれを選ぶべきなのか?
用途によって明確に分かれる。
– 本格的なダイビングや過酷環境下での使用 → ウルトラディープ
– 高精度・高耐磁・軽量を求めるタフな一本 → プラネットオーシャン
– 海への憧れと日常のバランスを求める → アクアテラ
オメガは今回、「潜水表」というカテゴリーの幅を、深海から都市まで広げた。
2026年、海馬(シーマスター)はもはや“海のためだけの時計”ではない。
陸上でこそ、その真価が発揮される時代になったのかもしれない。